「10万kmを超えた車」「10年落ちの車」は値が付かない、と一律に考えると仕入れの機会を逃します。実際には、車種と市場によって相場の付き方がまったく違います。
走行距離は「区切り」で段差が出る
走行距離は連続的に効くというより、3万km・5万km・10万kmといった区切りの前後で段差が出やすいのが実務上の感覚です。9.8万kmと10.2万kmでは、実質的な差は4千kmでも、評価はそれ以上に変わることがあります。
これは、買う側が「10万km以下」で検索・選別するためです。表示上の区切りをまたぐかどうかが、そのまま見てもらえるかどうかを左右します。
実務上は次のように使えます。
- 自社の在庫が区切りに近づいているなら、超える前に売り切る
- 仕入れるなら、区切りを超えた直後の割安なタイミングを狙う
- 下取り車を預かるとき、区切りをまたぐ前に評価する
年式(初度登録からの経過期間)の効き方
年式も同様に、5年・7年・10年といった節目で見られ方が変わります。加えて、その世代がモデルチェンジで旧型になったかどうかが大きく効きます。同じ年式でも、モデル末期の車と新型登場直後の車では相場の下がり方が違います。
輸出需要という別の市場
国内では過走行・多年式で値が付きにくい車でも、海外で需要のある車種は相場が下がりにくいことがあります。逆に国内人気車でも、輸出需要がない車種は過走行で大きく落ちます。
ここが読めるかどうかで、過走行車の仕入れ判断は変わります。相場ツールによっては、輸出規制がある製造年の情報を確認できるものもあります。年式と距離だけで判断せず、実際の落札実績を引くことが重要です。
過走行車を仕入れるときの判断基準
- 整備記録があるか:タイミングベルトやチェーン、ATF、足回りの消耗品の交換履歴があるか
- その車種の持病が出ていないか:車種ごとに出やすい不具合を把握しておく
- 入庫後にかかる整備費用の見積り:ここを甘く見ると、AA相場どおりに買っても赤字になります
- 保証をどう付けるか:過走行車は保証原価が上がりやすく、その分を買取価格に織り込む必要があります
- 売り先が想定できるか:予算重視の実用車として売れるか、輸出向けに流すか
お客様への説明
10年落ち・10万km超のクルマを持ち込まれたお客様は、「値が付かないと言われた」と諦めていることがあります。実際の落札実績を根拠に金額を提示できれば、それだけで信頼につながります。逆に、整備費用がかさむために金額が出せないなら、その理由を具体的に説明したほうが納得を得やすくなります。
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